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ラボ(研究室)

フラッシング(光の明滅)の水中での効果を考えてみると…

2014/12/10

ルアーフィッシングに限らず、沖釣りでも集魚板やアワビシートの貼ってあるオモリを使うことも普通にあり、釣り人なら魚がキラキラ光ったり明滅するものに良く反応することは良く知られている事実だと思います。

フラッシングと同時に発生する刺激

ただし、ここで重要なのはルアーがフラッシングする場合、ただフラッシングするのみではなく同時に振動したり、音を出したりしているという事も、魚を誘因する効果になっている可能性があるという事です。(餌釣りに関しては、沖の深海での釣りのように電池式の明滅するライトが取り付けられていたり、オモリにつけられているアワビシートのようにアクションを加えて明滅させるのとは違う種類のものがあるため、ここでは割愛します)

釣り人側がルアーを操作する場合、フラッシング(明滅)と同時にラトルが入っている場合等は音を出し、それ以外でもフックとスプリットリングが弱いながらも音を出します。また、ルアー自体が動くことで水を動かすため振動も伝わります。

水中での刺激の伝達

光が音よりも早く伝わる事はご存知のとうりですが、音は空気中を毎秒およそ330mの速さで伝わるのに比べ、水中では毎秒1,400mの速さで伝わるため、空気中よりもより強く遠くまで伝わります。それとは逆に、光は水中で減衰する要素が多く、離れた位置の魚の目に届くまでにかなり弱くなってしまう場合があるため、よりフラッシングの効果を限定的にしている可能性が考えられます。
このフラッシングの減衰について、回流水槽でいくつかのルアーを使用してテストをおこなってみました。今回、テストに使用したルアーは、
ちいさい海馬55(痴虫ルアー):トップウォーター
ノッキンジョー(ジャッカル):メタルバイブレーション
スプーンテールシャッド(ノリーズ):ワーム
です。
他にも、スピナーベイトやバズベイト、クランクベイトなどもテストを改めて行う予定ですが、まず以上の3種類のルアーで確認をしてみました。

ちいさい海馬55(痴虫ルアー)


このルアーは、痴虫ルアーの松本さんが丁寧にハンドメイドされているルアーですが、今回、回流水槽を使用してスイミングテストを行いわかったことは、非常に絶妙なバランスでできているということです。ぽってりとしたボディが程良いボリューム感を出していてスイッシャーと金属ブレードがついていることにより、水押しとフラッシングもしっかりあります。
水質がマッディに移行するにしたがって、ブレードのフラッシングは減衰しますが失われる事はなく、どちらかというとボディのシルエットとあいまってより自然なアピールが発生しているように感じられます。

ノッキンジョー(ジャッカル)


メタルバイブレーションの一例として、こちらのルアーを使用しました。今回のテストで確認できたこととして、クリアウォーター下で激しく明滅するカラーパターンにも関わらず、濁りが入ってくると途端にフラッシングは減衰し、どちらかというと黒くシルエットが浮き上がること、フラッシングよりもボディが振動することによって強く水押しがあることと、振動の影響でセットしたフックとボディとで金属音を立てることです。今回は、ジャッカルさんのノッキンジョーを使用しましたが、金属ブレードが付いているのが特徴的なノリーズのTGジャカブレードを使用すると、これらの特徴がより際立ってくると思います。

スプーンテールシャッド(ノリーズ)


ワームの一例として、こちらのルアーを使用しましたが、濁りが入るにしたがってルアーの腹部(?)付近に配置されたラメの輝きはすぐに失われ、どちらかというとルアーの背側が黒いシルエットとして見えるようになるため、本来のボディの半分ほどの細さに見える場合があります。
千葉県にある亀山湖でバスフィッシングをする際、非常に有名で有効な釣り方としてオフセットフック仕様のレッグワームのダウンショットリグがありますが、冬季に入るとレッグワームのカラーは黒がよく使われることになりますが、これも冬のディープの釣りでワームをアピールするための優れた方法といえるのかと思います。
参考リンク

痴虫ルアー
ジャッカル
ノリーズ

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